時のしるし3【中東情勢と聖書預言】
今から35年ほど前、私は旧約聖書のエゼキエル書の預言について知りました。それは終末時代に中東で起こるという大戦争の預言です。
1992年にイスラエルを旅行したのですが、その頃は、アメリカという強国の傘の下、中東は和平に向かう雰囲気があり、イスラエルのラビン首相とパレスチナ側のアラファト議長のオスロ合意がなされました。ソ連(ロシア)の存在はまったくと言っていいほど皆無でした。そんな状態でしたので、本当にこの様な預言が実際に成就する日が来るのだろうかと思ったものです。
しかし、その後の中東情勢をリアルタイムで見て来て思うのは、この世は聖書を否定しているにもかかわらず、まるで聖書の預言を読んで、それを実現しようと世界中で努力しているかのように、まったく預言通りに事が進んでいるということです。その預言と成就の現状をお伝えしましょう。
さて、これから中東で起こるとされる大戦争の聖書の預言を詳しく見ていきましょう。現在、世界が聖書の預言通りの準備を着々としていることが分かります。それは明白な「時のしるし」です。
エゼキエル書38章
旧約聖書のエゼキエル書38章には、まるで現在の中東情勢がそのままが書かれているかのようです。それは以前からもクリスチャンの間で語られていましたが、実際に現実にそれが目の前で起こり始めている時代が今です。
預言者エゼキエルは、紀元前6世紀頃の預言者でした。今から2600年前というはるか昔にです。彼はバビロン捕囚の民のひとりでした。彼は将来起こる未来の戦争を、次のような預言をしました。
さらに、私(エゼキエル)に次のような主のことばがあった。
「人の子よ。メシェクとトバルの大首長であるマゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言して、言え。神である主はこう仰せられる。
預言者エゼキエルは、創世記10章に記された当時の国名や地域の名前を使って預言をしています。そこにはノアの三人の息子、セム、ハム、ヤフェテの子孫の名前が書かれています。
ヤフェテの子らはゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メシェク、ティラス。(創世記10章2節)
ヤフェテの子「マゴグ」の地は、黒海とカスピ海の間でした。
「マゴグ」の地は、地理的に見るとイスラエルの北の果てにあるといいます。平面の世界地図では分かり難いのですが、イスラエルの真北にはロシアの首都モスクワがあるのです。このマゴグの地とは、現在のロシア以外に考えられません。
「メシェク」とは、「モスクワ」の遠い語源です。「トバル」とは「トボリスク」の語源です。
この二つの領域を束ねるマゴグの地から出る人物が「ゴグ」です。
エゼキエルは、マゴクの地から出現する「ゴグ」なる人物に向かい預言します。
メシェクとトバルの大首長であるゴグよ。今、わたしは、あなたに立ち向かう。わたしはあなたを引き回し、あなたのあごに鉤をかけ、あなたと、あなたの全軍勢を出陣させる。それはみな武装した馬や騎兵、大盾と盾を持ち、みな剣を取る大集団だ。
ペルシヤとクシュとプテも彼らとともにおり、みな盾とかぶとを着けている。
(エゼキエル38章1~5節)
「ペルシャ」とは、現在の「イラン」です。
イランの母国語はペルシャ語です。イスラム革命以前、イランのパーレビ国王は親米派であり、イスラエルとも国交がありました。パーレビ国王は、かつてのペルシャ帝国を復興させようとしていました。しかし、イランはイスラム教シーア派の国です。1979年、パーレビ国王の欧米化路線の反動が起こり、ホメイニ師の率いるイスラム革命が成功し、国王は追放されました。イランはそれ以来、イスラエル抹殺を掲げています。イランはイスラエルを支援するアメリカに反抗し、ソ連(ロシア)を頼るようになりました。
それからイランは、隣国イラクと戦争をします(イラン・イラク戦争:1980〜1988年)。この時アメリカは、イラクのフセイン政権を援助しました。しかし、イラクがクウェートに侵攻したので、アメリカとの湾岸戦争に発展します。
2001年、アメリカの同時多発テロの後、大量破壊兵器を持つという理由でアメリカはフセイン政権を倒しました。しかし、大量破壊兵器は見つからず、民主化も根付きませんでした。
イラクの隣国シリアのアサド政権は、アラブの春の影響で内乱が起こるとロシアを頼りました。
イランにとって、もはやイスラエル侵攻への道を邪魔するものはいません。イランはテロ組織ヒズボラに資金援助をし、イスラエルを攻撃し続けています。しかし、アイアンドームの威力で、イスラエルは守られています。イランはイスラエル滅亡を果たすまで、戦う覚悟です。
「クシュ」とは、古代ヌビア地方にあった国で、現在のスーダンです。そこには古代クシュ王国がありました。スーダンは内戦状態で、ロシアが進出しています。
「プテ」は現在のリビアを指します。リビアは長い間カダフィ大佐が独裁政権を続けてきましたが、欧米によって倒された後は混乱が続き、ロシアの進出が激しくなっています。
アフリカの混乱に乗じて、ロシアは進出を続けています。
ゴメルと、そのすべての軍隊、北の果てのベテ・トガルマと、そのすべての軍隊、それに多くの国々の民があなたとともにいる。
「ゴメル」はヤフェテの子で、その地は東欧です。
ゴメルの子孫キンメリア人のなごりはクリミアの名に残っています。
クリミア半島の南ウクライナはまさにゴメルの地です。
(ゴメルに関して参考にした文献:Genesis volume1 James Montgomery Boice)
ゴメルの子に、アシュケナズとトガルマがいます。アシュケナズは西に進んでドイツ人の祖先となり、トガルマは南下してトルコ人の先祖となりました。ゴメルの子孫は広範囲に広がって行ったのです。
ここでエゼキエルの云うゴメルの地とは、ウクライナ、ベラルーシあたりだと思われますが、さらに東欧諸国全般を指すのかもしれません。
ロシアがソ連だった時代、東欧諸国はソ連の傘下でした。
ロシアは無神論を掲げ、キリスト教を迫害しました。そして社会主義の悪循環に陥り、ソ連が弱体化すると、東欧諸国は独立し、離れていきました。そしてソ連は崩壊しました。
現在のロシアはかつて手放した国々を取り戻したいと考えています。
2014年のクリミア侵攻、そして2022年、ロシアはウクライナに侵攻しました。残念ながら、ウクライナはロシアの手に落ちることでしょう。
イラク、シリア難民だけでなく、今やウクライナ難民もヨーロッパに向かいます。その負担は大きくなり、西側経済の弱体化を招き、ロシアへの経済制裁はエネルギー価格の高騰、世界的経済の混乱は飢饉を招きます。
ゴメルの子トガルマの地、「ベテ・トガルマ」はトルコです。
かつてロシアとトルコは敵同士でした。トルコはイスラム圏ですが、比較的民主的な国で、NATOにも加盟しており、EUにも加盟しようとしていましたが、エルドアン大統領の台頭で激変しました。トルコの民主主義は失われ、独裁政治が始まりました。
トルコはロシアに急接近し、荒廃したイラクとシリアの地を、ロシア、イラン、トルコの三国が現在支配しています。
いつかトルコはNATOを裏切ることでしょう。
エゼキエルは、終わりの日になると、ロシアを頭として、イランとトルコとリビアとスーダンと東欧が同盟軍を組み、ある国に攻め込むと語るのです。
その攻め込む先の国の様子について、エゼキエルは語ります。
備えをせよ。あなたも、あなたのところに集められた全集団も備えをせよ。あなたは彼らを監督せよ。
多くの日が過ぎて、あなたは命令を受け、終わりの年に、一つの国に侵入する。その国は剣の災害から立ち直り、その民は多くの国々の民の中から集められ、久しく廃墟であったイスラエルの山々に住んでいる。その民は国々の民の中から連れ出され、彼らはみな安心して住んでいる。
(エゼキエル38章6〜8節)
エゼキエルの時代、イスラエル民族はバビロンに捕囚されていました。当時の離散の地域は限定的であり、70年後に信仰を持つユダヤの民はイスラエルの地に帰還しました。
第二神殿が再建され、イエス・キリストが来られたのですが、イスラエルは拒否しました。
紀元70年、イスラエルはローマ帝国とのユダヤ戦争に敗北し、世界中に離散しました。その間、繁栄や安住の時代は、一時もありませんでした。
ユダヤ民族の帰還を信じる人々はわずかでした。しかし、1948年、イスラエルは再び再建され、実際に世界中の国々からイスラエルの民が帰還したのです。
このエゼキエルの預言は、世界中の国々から集められたユダヤの民の作るイスラエルの国が前提となっています。
1948年以前は、この預言が成就する可能性はありませんでした。しかし、イスラエルは預言通りに国を再建しました。その時から、この預言は私たちに語っているのです。
(詳しくは、時のしるし2 イスラエル復興の歴史をご覧下さい)
このエゼキエルの預言は、キリスト生誕よりもずっと前になされた、2600年前の預言です。ここに「剣の災害」とありますが、キリストご自身も次のように預言していました。
人々は、剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれ、異邦人の時の終わるまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされます。」(ルカ福音書21章24節)
歴史を振り返れば、イスラエルはユダヤ戦争で剣の刃に倒れ、捕虜となって世界中に離散させられました。それはまさに「剣の災害」です。
しかし、2000年という長い間、彼らは滅びず、預言通りにイスラエルの地に帰ってきたのです。
キリストもエゼキエルと同じように、イスラエルの民の復興を信じていました。
しかし、1948年にイスラエルが建国してから、中東では次々と戦争が起こりました。イスラエルに対抗するアラブ周辺諸国の石油戦略により、オイルショックが起こり、世界経済は大混乱になりました。石油は武器となったのです。日本でもオイルショックで大騒ぎになったのを覚えています。しかし、三度に渡る中東戦争にも、イスラエルは滅びませんでした。
そして、今やイスラエルは、荒地を緑の園に変え、奇跡的な経済復興をし、中東一の繁栄を誇っています。観光業だけでなく、ハイテク産業でも世界トップとなりました。世界が荒廃していくのとは裏腹に、世界でイスラエルだけが右肩上がりに、どの分野でも繁栄しているのです。まさにイスラエルは剣の災害から立ち直った国であり、核兵器も保有し、最新の装備を備えた最強の軍隊を持ち、ミサイルも撃ち落とすアイアンドームの軍備を誇って安心しています。
さらに近年大ニュースがありました。イスラエルに石油と天然ガスが発見されたのです。そこでイスラエルはヨーロッパに天然ガスを売ろうとパイプラインを建設しようとしていますが、トルコとリビアが反対しています。
ヨーロッパはロシアの天然ガスに依存していますが、ウクライナ侵攻によって、ロシア依存を避けようとしています。
もしイスラエルがヨーロッパにガスを売り始めれば、世界は喜んで買うでしょう。それはロシア経済にとって大打撃となります。
アメリカは長年イスラエルを支援して来ました。しかし、アメリカでシェールガス革命が起こり、オバマ政権は、イスラエルを冷遇しました。アメリカ国民も、伝統的なキリスト教精神を否定し、資本主義の悪循環に陥り、富の一局集中による貧富の差が拡大しました。かつての超大国アメリカは、プロテスタンティズム精神があってこそ成功していたのです。その精神を否定したとたん、共産主義と同じく、資本主義は冷たく厳しいものとなりました。
トランプ政権は、かつてのアメリカの姿を取り戻そうとしました。そしてエルサレムをイスラエルの首都と認め(2017年12月)、2018年5月に大使館を移動させました。世界中の目がエルサレムの都に注がれました。
しかし、2021年のバイデン政権後から、アメリカの凋落は激しくなりました。
ヨーロッパは脱炭素社会を目指すために、CO2排出をする石油石炭を止め、再生可能エネルギー(太陽光、風力など)の移行を掲げています。しかし、それだけでは国を支えるエネルギー源にはなりません。そこでCO2排出が少ない天然ガスが脚光を浴びました。
バイデン政権は、脱退していたパリ協定に戻り、シェールガス採掘も止めました。
そこで天然ガスを輸出するロシアは強気になったのです。
2021年、バイデン政権は、アフガニスタンから突如軍を撤退させ、中東から撤退しています。
アメリカの中東撤退はどんどん加速し、代わりにロシアがイランやトルコが、中東の実権を握りつつあります。
私見ですが、アメリカがかつての元の姿に戻ること、世界的な力を持つことは、もう無いと思います。アメリカは建国以来のプロテスタントの祝福の土台を自ら壊し、弱体化しています。これからは米国内のキリスト教徒への迫害が増え、世界に影響力を与えない弱い国となるでしょう。
ロシアは今や中東でアメリカ以上の存在感を持つようになり、天然ガス輸出国として脱炭素を第一とするヨーロッパの生命線となったのです。
いまやロシアが何をしても、誰も手出しができないまでになりました。ロシアはアメリカに、もはや力が無いことを悟っているのです。
ウクライナ侵攻で、世界中から非難されているロシア。しかし、穀物も資源も核も持つロシアは、全く動じることはありません。
しかし、もしイスラエルが世界に天然ガスを売れば、世界はロシアからではなく、イスラエルから買おうとするでしょう。
イスラエルは益々豊かになって繁栄し、ロシアは貧しくなってしまいます。
ロシアは必ず、イスラエルを略奪します。
2010年頃から中東情勢は激変しました。いわゆる「アラブの春」が起こり、世界中がアラブ社会にも春(民主化)が始まると期待したのですが、民主化どころか、かえって激しい内戦の始まりとなりました。以来、中東ではかつてないほどの野蛮で過激なテロが当たり前になりました。斬首刑をネットで公に流すイスラム国のような、残酷なテロ組織が21世紀に出て来るなど、三十年前に想像できたでしょうか。世界はどんどん過激になり、残酷になって来ています。
実はそのような時代は、二千年前のユダヤにもあったのです。歴史家のヨセフスは、シカリオイというグループが、短剣を懐に持ち、群衆の中で無差別に殺人テロを犯す行為が蔓延していたと、書いています。二千年前のエルサレムの都の状況と、現代の中東情勢は非常によく似て来ています。30年前には考えられなかったことが、現在、目の前で起こっているのです。
預言通りに、ロシアはイランとトルコと手を組み始め、内戦状態のシリアに拠点を築いています。シリアの首都ダマスカスが落ちれば、イスラエル侵略への道は確保されたも同然です。なぜなら、イスラエルに地上軍を送るためには、ゴラン高原が必要だからです。そのゴラン高原の入口にダマスカスがあるのです。ダマスカスが崩壊するという預言は、イザヤ書17章に書かれています。
ダマスコ(ダマスカス)に対する宣告。
見よ。ダマスコは取り去られて町でなくなり、廃墟となる。
アロエルの町々は捨てられて、家畜の群れのものとなり、群れはそこに伏すが、それを脅かす者もいなくなる。
エゼキエルは、ゴグ連合軍がイスラエルに侵攻する状態も預言しています。
あなた(ゴグ)は、あらしのように攻め上り、あなたと、あなたの全部隊、それに、あなたにつく多くの国々の民は、地をおおう雲のようになる。神である主はこう仰せられる。
その日には、あなたの心にさまざまな思いが浮かぶ。あなたは悪巧みを設け、こう言おう。『私は城壁のない町々の国に攻め上り、安心して住んでいる平和な国に侵入しよう。彼らはみな、城壁もかんぬきも門もない所に住んでいる。』あなたは物を分捕り、獲物をかすめ奪い、今は人の住むようになった廃墟や、国々から集められ、その国の中心に住み、家畜と財産を持っている民に向かって、あなたの腕力をふるおうとする。
シェバやデダンやタルシシュの商人たち、およびそのすべての若い獅子たちは、あなたに聞こう。『あなたは物を分捕るために来たのか。獲物をかすめ奪うために集団を集め、銀や金を運び去り、家畜や財産を取り、大いに略奪をしようとするのか。』と。
それゆえ、人の子よ、預言してゴグに言え。神である主はこう仰せられる。
わたしの民イスラエルが安心して住んでいるとき、実に、その日、あなたは奮い立つのだ。(エゼキエル38章9~14節)
いつの日か、ゴグ同盟軍が、突如イスラエルに侵攻します。その時はいつになるのでしょうか? それは聖書によると、イスラエルが平和で安心している時だというのです。イスラエルがホッとしている時、ゴグ同盟軍がスキを突いて大軍で一挙に進軍するのです。
「シェバやデダン」とは、現在の「サウジアラビア」のことです。
サウジアラビアは、イスラム教でいうとスンニ派であり、シーア派のイランと敵対関係にあります。
補足説明すると、イスラム教は、ユダヤ・キリスト教をベースにした宗教で、西暦600年代に生まれました。イスラム教はシーア派とスンニ派のふたつがあり、イランはシーア派、サウジアラビアはスンニ派の盟主です。ですから、イランとサウジアラビアは、決して互いに相容れません。イランは、サウジアラビアと、2016年に国交を断絶しています。
サウジアラビアはイランに脅威を感じており、イランに対抗するために、かつての敵イスラエルと手を組む以外にないと思い始めています。
2020年、UAE(アラブ首長国連邦)はイスラエルと国交を樹立しました。
イスラム教徒が聖書の預言通りにしようとして、この対立が起こったのでありません。しかし、預言通りの展開になっているのです。
「タルシシュ」とは、エゼキエルの時代、海の向こうの遠い貿易国で、スペインやイギリスなどの西欧ではないか言われています。
ヨナは神からできるだけ遠くに逃げようとタルシシュ行きの船に乗りました。
「若き獅子たち」とは、アメリカのような西欧から出た若い国のことではないかと言われています。アメリカはスペインやイギリスから旅立った人々によって、作られたからです。
つまり、サウジアラビアも西欧諸国もアメリカも、ゴグ軍のイスラエル侵攻に抗議はすれど、手出しはしないのです。ただ黙ってイスラエルが侵攻されるのを見ているだけになるのです。
その頃のアメリカや西欧は、中東での影響力を完全に失っていることでしょう。
あなたは、北の果てのあなたの国から、多くの国々の民を率いて来る。彼らはみな馬に乗る者で、大集団、大軍勢だ。
あなたは、わたしの民イスラエルを攻めに上り、終わりの日に、あなたは地をおおう雲のようになる。ゴグよ。わたしはあなたに、わたしの地を攻めさせる。それは、わたしがあなたを使って諸国の民の目の前にわたしの聖なることを示し、彼らがわたしを知るためだ。
神である主はこう仰せられる。あなたは、わたしが昔、わたしのしもべ、イスラエルの預言者たちを通して語った当の者ではないか。この預言者たちは、わたしがあなたに彼らを攻めさせると、長年にわたり預言していたのだ。(エゼキエル38章15~17節)
いつかロシアはその同盟軍を率いて、イスラエルに軍事侵攻し、圧倒的な物量で土地を占領しようとするでしょう。世界はその時、イスラエルが蹂躙されるのをただ眺めているだけとなります。それほどまでに、このゴグ同盟軍の軍隊が大勢で、手の施しようがないのでしょう。次から次へと軍隊がなだれ込み、サイバー攻撃やミサイル攻撃には対処できるイスラエル軍もなすすべもない状態になります。
ロシアから、イランから、トルコから、アフリカから次から次へと送り込まれる軍隊。多勢に無勢のイスラエルは、まさに四面楚歌、絶体絶命の危機です。誰もが抗議をするだけで、助けられません。イスラエルの滅亡が予想されるでしょう。
さて、その結末はどうなるのでしょう? すでにその結末は聖書に書かれています。
ゴグがイスラエルの地を攻めるその日、神である主の御告げ。
わたしは怒りを燃え上がらせる。わたしは、ねたみと激しい怒りの火を吹きつけて言う。その日には必ずイスラエルの地に大きな地震が起こる。海の魚も、空の鳥も、野の獣も、地面をはうすべてのものも、地上のすべての人間も、わたしの前で震え上がり、山々はくつがえり、がけは落ち、すべての城壁は地に倒れる。
わたしは剣を呼び寄せて、わたしのすべての山々でゴグを攻めさせる。
神である主の御告げ。彼らは剣で同士打ちをするようになる。わたしは疫病と流血で彼に罰を下し、彼と、彼の部隊と、彼の率いる多くの国々の民の上に、豪雨や雹や火や硫黄を降り注がせる。
わたしがわたしの大いなることを示し、わたしの聖なることを示して、多くの国々の見ている前で、わたしを知らせるとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。」(エゼキエル38章18~23節)
イスラエルは滅ぶと、世界中が思った時、奇跡が起こります。神は大地震を起こしてイスラエルを助けるのです。ゴグ同盟軍内で同士討ちが始まり、軍隊は、疫病、災害、火によって全滅するというのです。
もともとゴグ連合軍は、同床異夢の烏合の衆です。それぞれがイスラエル打倒の目的を果たした後は、敵同士となる間柄です。
同士討ちの戦いや疫病で、軍隊は滅びます。それだけでなく、互いに火を送り合います。それはまるで核戦争です。
イスラエルに手を出した国々は滅び、二度と立ち上がれなくなります。イスラエルは奇跡的大勝利を経験します。その時、イスラエルの民は神を意識し始めます。世界中は神の御手に守られているイスラエルの姿を見るのです。彼らはキリストを迎えるために第三神殿を建て始めるでしょう。もはや誰も建設に反対する勢力はありません。
こうしてイスラエルは世界中の注目の的となります。
わたしはマゴグと、島々に安住している者たちとに火を放つ。彼らは、わたしが主であることを知ろう。わたしは、わたしの聖なる名をわたしの民イスラエルの中に知らせ、二度とわたしの聖なる名を汚させない。諸国の民は、わたしが主であり、イスラエルの聖なる者であることを知ろう。(エゼキエル39章6~7節)
この中東大戦争を対岸の火事のように見て、イスラエルの滅びを喜んでいた国々も、大きな打撃を受けるといわれています。世界は突如として恐ろしい世界大戦後の荒廃を迎えます。
こうして、勝利したイスラエルと、残ったヨーロッパの時代が来るでしょう。しかし、そこで終わりではありません。これは恐ろしい時代の始まりなのです。荒廃した世界は平和を求めます。そこへ彗星のように一人の人物が偽りの平和を説いて現れるのです。
(来たるべき大患難時代については、「時のしるし4 様々な前兆と大患難時代」をご覧ください)
急激に世界情勢が聖書の預言通りになり始めています。あまりに早いペースで進んでおり、驚くばかりです。
(2022年3月加筆)